動画マーケター&エディターのTAKAです。
先日、また新しいキーボードを買ってしまった…。
「Keychron」という香港のメーカーだ。
モデル名は「Keychron Q1」
今回は、僭越ながら私の所感をお伝えさせていただこうと思う。
待ちに待った受注開始日
初めは2021年7月発売と言われていたが、なかなかローンチが始まらなかった。
「情報が欲しいならばメールを登録してくれ」
的なことが公式サイトに書いてあったので、登録して大人しく待つことに。
結局、一般予約が開始されたのは、8月24日の夜10時だったと思う。
このモデルは前評判がすこぶる良いということだったので、即日完売となっては大変だ。
私は予約開始時間の前から、PCの前でジッと待機していた。
そして予約開始時間と同時に、我先にとばかりに公式サイトから注文手続きを開始。
無事に手続きが終わり、この間たったの5分。
いや、我ながら全く無駄のない操作だったと感心。
納期がけっこうかかった
公式サイト上では「9月1日より順番に発送します」みたいな表示。
国内でもトップクラスに早い順位にて注文を済ませた私のことだから、当然9月1日に発送されるものと思っていた。
ところが1週間経っても10日経っても、一向に発送通知のメールが来ない…。
まあ、早く届くことに越したことはないが、今使っているキーボードも無い訳ではないのでさして困らない。
とまぁ、こんな感じで呑気なものだ。
忘れかけていた9月の中旬に、Keychronから1通のメールが。
「登録した住所が日本語表記のため出荷が保留になっているから、英語表記の住所を教えてくれ」
という内容のもの。
これが原因で2週間も発送が遅れたのか。
ということは順調に発送された人には、もう届いている頃だろう。
気を取り直して英語での住所を送ると、
「Thank you! なるべく早く送るね!」
だとさ。
担当のニコルとやら、なかなか可愛いヤツではないか。
その後17日に発送された旨のメールが届き、実際に商品が届いたのは24日。
丸1週間くらいかかるということね。
「さて、他のみんなはどのようなレビューをしているのかな?」
とYouTubeを拝見していると、そのコメント欄に、
「まだ発送連絡すら来ていません!」
というようなコメントが、いくつか目についた。
発送遅れのあった私は言うに及ばず、他の方々もそれ以上に待たされていることに驚いたものだ。
Keychron Q1 黒ケース ゲートロンファントムレッドを購入
ひとくちにKeychron Q1と言っても、様々な組み合わせが用意されている。
私が選んだのは表題の「黒ケース」に「ゲートロンファントムレッド」というキースイッチが装着されたモデルだ。
「ベアボーン」と呼ばれる、キーキャップとキースイッチが装着されていない骨?の部分のみの販売もしている。
しかしこちらは9月中旬以降の受注開始だったので、発売初日では選択不可。
先行販売された完全組立品でも、ケースの色とキースイッチがそれぞれ3パターン用意されていて悩ましい。
ここからは好みの世界であるが、最も汎用性が高そうな黒のケースと、市場で最も人気の高いとされる「赤軸」であるファントムレッドの組み合わせをチョイス。
無難と言えば無難な選択だ。
前置きはこのくらいにして、ここからはKeychron Q1のファーストプレビューをお届けしていこう。
Keychron Q1のイケてる点・イマイチな点
ブログの写真よりも動画のほうが上手く伝わるので、「開封の儀」みたいなことはユーチューバーの方々にお任せすることにしよう。
本記事では、OKポイントとNGポイントに絞って紹介していきたい。
本当は、
「控え目にいってサイコーですぅ!!」
みたいなことを言いたかったのだが、現実はビミョーだ。
ただしその素性に関してはかなりのポテンシャルを感じるので、
「将来的にサイコーになる可能性が高い」というのが私の感想。
この「Keychron Q1」は、良い部分とイマイチな部分がハッキリと分かれているように感じる。
裏を返せば、この「良し悪しがハッキリ分かれている」ことが幸いしている。
なぜなら、このイマイチな部分をピンポイントでカスタマイズしていけば、無駄なく理想に近いキーボードに仕上がる可能性があるからだ。
私が感じたOKポイントとNGポイントはそれぞれ以下の点だ。
✔ ルブ済み(潤滑済み)キースイッチによる異次元の滑らかさ
✔ スタビライザーが優秀すぎて幅広キーの端を叩いてもカチャカチャいわない
✔ 独立した島にある方向キーはやっぱり使いやすい
✔ 個人的な好みとしては底打ち感はもう少しソフトであって欲しい
✔ ファントムスイッチのハウジングは透明であってほしかった
✔ 筐体の高さがけっこうある
✔ 付属のコイルケーブルのクオリティが微妙
OKポイント1) 激オモ筐体による安定感
まず最も感動したのが、その激オモ重量からくる破壊的な安定感だ。
まるでガンタンクを叩いているようにビクともしない。
これまで重量級キーボートはいくつか使ってきた。
- 東プレ リアルフォース
- ロジクール Claft
- ロジクール MX Keys
このようなモデルは、中に薄い鉄板や巨大バッテリーが入っているのだろう。
これにより決して持ち運びには適さないが、タイピングをしていて「ズレる」ようなことは皆無だった。
しかしこの「Keychron Q1」はどうだ。
鉄板が入っているどころか、体中が金属で出来ている!
桁が違うワケだ…。
これまでアルミと言えば「金属でも軽いほうかな」という印象があったが、この筐体を目前にしてイメージが一新された。
OKポイント2) ルブ済みスイッチによる異次元の滑らかさ
そしてもう1点特筆すべきは、ゲートロンファントムスイッチによる極限の滑らかさだ。
このファントムスイッチというのは、Keychron社とキースイッチメーカーのGateron社が共同開発したルブ済み(潤滑済み)スイッチのこと。
ルブとは、キーケースのハウジングを開け、その中の擦れ合うパーツに潤滑油を塗って滑りを良くすることらしい。
私はそこまでマニアではないので、
「なにもそこまでしなくても…」
と言う派だった。
しかし今回実際に使ってみて、その考えを大きく改めさせられることになった。
そしてこのファントムスイッチ、潤滑性だけでなく剛性も強化されているように感じる。
キーを押し込んだときにグラつきを感じず、ス~ッと底まで垂直に下りていくイメージだ。
スイッチの構造は違うが、リアルフォースのそれに近いと感じた。
その価格を考えたらコストパフォーマンスはかなりのものだ。
OKポイント3) 優秀なスタビライザーによる極上の打鍵感
私を驚愕とさせたディティールとして「ねじ込み式スタビライザー」の品質も挙げさせていただこう。
スタビライザーとは「Enter」や「Space」など、横に長いキーの挙動を安定させるために、キースイッチの左右に設置された補助パーツのこと。
幼児用自転車の補助輪のようなものと想像していただきたい。
(ちょっと違うか…)
このスタビライザー、普通は取り付けに遊びが多く、特にキーの端っこを叩くとカチャカチャと音が鳴る。
これは激安中華キーボードでも、国産ハイエンドのHHKBでも同様だった。
しかしこの「ねじ込み式スタビライザー」というのは、ほとんど音がしない。
さすがに最長のSpaceキーにおいては若干の遊びを感じるが、それ以外のキーでは真ん中だろうが端っこだろうが、どこを押しても真っ直ぐに下りていく、そんな印象を受ける。
これによるストレス軽減効果は計り知れないだろう。
OKポイント4) 方向キーが独立した島になっている
私がこの「Keychron Q1」を選んだ大きな理由のひとつが、この方向キーの配置だ。
私の用途では動画編集での出番が多くなるため、「方向キーあり」「F12までのファンクションキーあり」のレイアウトがやはり使いやすい。
その点でこれまでのキーボードの配列は、Keychronの製品でいえばC1やK8のような、いわゆるテンキーレスサイズと呼ばれるタイプ。
もしくは、K2やK3のように方向キーが他のキーとのビッチリと隙間なく配置されているタイプのどちらかだった。
私は両手間の距離をなるべく近くしたい派なので、テンキーレスレイアウトではキーボードの右側に無駄なスペースを感じてしまう
かといって、ビッチリとしたキー配列はとなりのキーを誤打しそうでイヤなのだ。
その願いを叶えてくれた、私にとって理想のキー配列がこの「Keychron Q1」というわけ。
この条件を満たしているのは、有名どころで私が知る限り「Glorious GMMK PRO」だけだ。
ただしこのキーボード、右上のロータリーエンコーダーが付いているとは言え、ちと高い…。
総合的にどちらのクオリティが高いかは分からないが、コスパから言えば「Keychron Q1」に軍配が上がる。
そして、もちろん表があれば裏もある。
ここからはKeychron Q1の、私にとってイマイチだった点を列挙していこう。
NGポイント1) タイピングのたびにカンカンと金属音が響く
さて、ここからは「Keychron Q1」のNGポイントをご紹介していこう。
まずは一番気になったのがコレ。
タイピングのたびにカンカンと金属音が響いてしまう。
気持ちよくEnterキーを打鍵しようものなら、
カーン!
と、こちらも気持ちよく鳴ってしまう。
アルミフレームの品質が問題なのか、中の構造が問題なのかは分からない。
特に顕著なのが周辺に近い端っこのキーだ。
上の写真のように、ケースの端っこを指で叩くとカンカン響くので、おそらく周辺キーが響くのはケースの造りか構造が原因だろう。
NGポイント2) 底打ち感はちょっぴりハード
お次は底打ち感について。
この「Keychron Q1」は「プレート」と呼ばれる底面の板の材質を3種類からカスタマイズすることができる。
組立済み完成品のデフォルトでは、たしか一番ソフトな素材の「Q1PCプレート」が入っているはず。
しかしそれでも私には少々硬い印象を受ける。
そこでお決まりの「キーキャップ制音リング」を試してみた。
だがこれは私には合わなかった。
底打ち感に何だかキレがなくなって、タイピングしていて気持ちよくないのだ。
人間とはつくづくワガママな生き物である。
ただし、ここに関してはキーキャップの交換で解消できるのではないかとにらんでいる。
デフォルトで付いているキーキャップは肉厚が少々薄く感じる。
これが原因でやや甲高い底打ち音となり、指先に伝わる振動も大きくなり、結果底打ち感が硬めに感じるのではないだろうか。
なので肉厚タイプのキーキャプへと変更することで、いっそう「コトコト感」を増していけるだろうと踏んでいるのだ。
私が狙っているのはコレだ!
色といい、デザインといい、質感といい、
この「Keychron Q1 ブラック」の筐体にピッタリではないか。
「たかがプラスチック製品に12,000円?」
キーボードに全く関心のない方からしてみれば、正気の沙汰ではないだろう…。
NGポイント3) 着色されたキースイッチのハウジング
イマイチポイントの三つ目は、ファントムスイッチのハウジングの色である。
これは公式サイトを見て購入前から分かっていたことではあるが、やっぱり設計の段階で何とかしてほしかった。
今回選択できる3種類のファントムスイッチは、
- 赤軸
- 茶軸
- 青軸
の3種類。
普通は中央の十字になっているキーキャップとの接合部のみがこの色となっているが、このスイッチは周りのケース(ハウジング)まで軸の色に着色されている、
これによる弊害は、お気付きの通りライティング時にある。
いい年こいたオッサンが、ビカビカと7色にLEDライトを光らせることはない。
ただそんな私でも、唯一白色だけはアリかなとは思っている。
ロジクールの「Claft」や「MX Keys」のような、白く淡い光り方は上品でセンスがある。
しかし、このキースイッチではLEDを白色に設定しても、赤いハウジングのせいで「赤ピンク色?」になってしまう。
青く光らせたなら紫がかってしまう。
緑っぽいライトは何だか汚らしい。
せっかく「南向きLED」なんて仕様にしてライティングの視認性を上げたのだから、それをより活かすキースイッチにして欲しかったものだ。
NGポイント4) 筐体の高さが高い
公式サイトの画像を見ていたので覚悟はしていたが、やはり筐体の高さがなかなかだ。
上の写真は左がHHKB、右がロジクール MX Keys。
ケースの角も角ばっているため、余計に座高が高く感じる。
HHKBと比べるとこんな感じ。
ケース自体もHHKBのほうがやや低いうえ、キートップの高さで更に差が広がっている。
それを考えると、HHKBってホント良く考えられていると思う。
そして、MX Keysとの差はさらに歴然だ。
MX Keysはパンタグラフなので比較しても仕方ないが、参考までに。
「Keychron Q1」の「これでもか!」というくらいの座高を見せつけられては、流石のパームレスト嫌いの私もそうは言ってられなくなってくる。
そしてこの「Keychron Q1」には、角度調節の脚がない。
故に微調整が効かないのも、高さを感じる要因か。
まぁ、これだけのヘビー級に脚なんぞ付けたら即骨折は必至だろうがね。
NGポイント5) 付属のコイルケーブルの品質が微妙
「Keychron Q1」は、キーボード本体を購入したらコイルケーブルが付属する。
どうやら自作キーボード界隈では、このコイル型のキーボードケーブルが人気らしい。
調べてみると、単体で買ったら6千円とか8千円とか普通にする代物らしく、軽く失禁した。
それをサービスで付けてくれるというのだから、決して文句など言ってはいけない。
が、それでは記事として貴兄のお役に立てないので、あえてタブーに踏み込んでみようと思う。
まずはコイルの巻き方が雑である。
タダとはいえ、もうちょっと何とかしてもらえたらテンションが上がったに違いない。
もう1点はタイプC端子からコイルの始まりまでと、コイルの終わりからアビエイターコネクタまでの距離が長すぎる。
この両方が短いと、キーボード本体を含めた見た目のバランスが取れて俄然カッコよくなるのだが。
ただし、PC側のタイプC端子にタイプAの切り替えコネクタが付属しているのはとても好印象。
これだけ別途購入するのは地味に面倒だからね。
まとめ
今回は、届いたばかりの「Keychron Q1」のファーストインプレッションをご紹介させていただいた。
このキーボードはカスタマイズ性に優れているので、将来的なポテンシャルまでを含めた魅力をこの記事だけでは語りつくすことは到底不可能だ。
次の機会では、また別の視点でこのキーボードの魅力をお伝えできればと思う。
ご興味があれば、またお付き合いいただければ幸いだ。