動画マーケター&エディターのTAKAです。
近年の副業ブーム、そして動画ブームに後押しされるように、クラウドソーシングで動画編集の仕事を始めてみたいと考えている方が増えている。
ただし、いくつになっても未知の世界へ踏み出すときは不安がつきまとうもの。
例えばあなたが動画編集のビギナーであれば、このようなことが心に引っかかっていないだろうか。
・初心者でも本当に動画編集の案件が獲得できるのだろうか?
・初心者が動画編集のお仕事をするためには。どんな準備が必要なんだろうか?
・たとえ仕事をもらえたとしても、初心者ではたいして稼げないのではないか?
私は普段、映像制作会社でディレクションと映像編集作業に携わっている。
と言うことは、映像編集案件を発注する側と、受注する側の両方の立場を深く理解しているということ。
そんな私から見た、
✔ 実際に初心者でも動画編集のお仕事をもらうことができるのか
✔ 動画制作の初心者が心得ておくべき条件とは
✔ 駆け出しの動画編集者の報酬額について
これらを現場のリアルな意見としてお伝えしていこうと思う。
この記事が、新進気鋭のエディター志願者の背中を押す一助となれば幸いだ。
初心者でも映像編集のお仕事を獲得できるのか?
答えはもちろんYESだ。
だれでも最初は初心者なのだから、これがダメなら今後新しいクリエイターは生まれないことになってしまう。
では発注者の立場からして、積極的に編集ビギナーに仕事を依頼するかと言えば、これはNOになる。
これは少し考えれば誰でも納得していただけるだろう。
例えば髪を切りに行ったとしよう。
どうせ同じ金額を払うなら、本日デビューの新米美容師より、店長などのベテラン美容師に任せたい。
歯医者の場合はもっと切実だ。
初めて患者さんの歯を削ろうとしている新人歯科医より、これまで何千人という口内を治療してきた院長先生に頼みたい。
「ん? それじゃあ初心者はどうやって最初の仕事を取ればいいの?」
疑問はごもっともだ。
そんなこと言ったら、いつになっても仕事にありつけないからね。
答えはこうだ。
初心者ということがバレなければいい!!
「マジっすか!?」
「え、ウソつくんですか?」
「つか、それって詐欺じゃね!?」
こんなあなたの罵声が聞こえてくるようだ…。
そーだよね、たしかに怪しい。。。
しかし決して「ウソをつきましょう」と言っているのではない。
「バレなければいい」のだから、あえて自分から
「初心者ですけど、精一杯頑張ります♡」
などと、1ミリも役に立たないことを公言しなくても良い、ということだ。
✔ 初心者
✔ ビギナー
✔ 初めての案件
もしあなたが応募時にこのようなワードを発したなら、その時点で採用は無いと思ったほうがいい。
発注側からすれば、編集者が「頑張ろう」が「命を懸けよう」がどうでもいいこと。
決められた納期までに、こちらが求めている以上の品質の作品が納品されれば何も問題はない。
それが例え、鼻をほじりながら編集していたとしてもだ。
しかし、
「仕事を進めているうちに初心者だとバレてしまいそう…」
こう不安になる気持ちも分からないでもない。
なので次の章では、ビギナーが初案件獲得のために準備しておきべき条件をまとめてみた。
ここに列記されている内容をマスターしていれば、初案件にも臆せずトライできるはずだ!
映像編集初心者が案件を獲得する為に必要な5つの条件
さてここからは、動画編集案件に初挑戦する初心者がおさえておきたい条件や、心構えをお伝えしていこうと思う。
この辺をスルーして応募してしまうと、発注担当者に「ん?大丈夫かな?」と心配されてしまうかもしれない。
応募の前に以下の項目をチェックして、万全の体制で臨もう!
1:ポートフォリオの提示
初心者感を払拭するには、一番破壊力の高いツールだ。
ポートフォリオとは「私はこのような作品を作れますよ」という自己アピールのための映像作品集を指す。
発注担当者もヒマではない。
くどい自己紹介文をズラズラ並べられるよりは、「ポートフォリオはこちらになります」と、自分で手掛けたサンプル映像のURLを提示してもらったほうが、よっぽど話が早くてありがたい。
その作例が担当者のツボにはまれば、一発採用も珍しくない。
それゆえに、ポートフォリオの制作は決して手を抜いてはいけない。
「もうこんな凝った作品、二度と作れないよ」
と、自分で後から見返して凹んでしまうくらい、持てる技術を120%投入した作品に仕上げるべきだ。
その力作を見た担当者はこう思う。
「ちょっとジャンルは違うけれど、これくらいの作品を作れるなら今回の案件は全く問題なさそうだな。というか、これなら他の案件もお願いしてもいいかもしれない。」
そう、今回の募集内容と若干ジャンルが違ったとしても、ポートフォリオのクオリティが高ければ大した問題にならないのだ。
そして、そのような力作をできれば3本用意しよう。
それらをまとめたポートフォリオサイトを作っておくと、さまざまな案件の応募時に使えるのでおすすめだ。
ここで、絶対やってはいけないタブーな送付方法がある。
それはギガファイル便などのオンラインストレージサービスで、本データを送ってしまうこと。
そんな送り方をされたら、先方はわざわざ自分のPCにデータをダウンロードして、それを解凍して閲覧しなくてはならなくなる。
ダウンロードする時間はかかるわ、一時的とはいえPCのストレージは圧迫されるわで、担当者のストレスはMAX間違いなしだ。
私はオンラインストレージで送られただけで、見る気すらなくしてしまう。
ということは…、つまりはそういうことだ。
2:自己紹介文(プロフィール)
とはいえ、自己紹介文(プロフィール)も重要な武器になることは間違いない。
ここでのポイントは必要なことだけを簡潔に書くということだ。
何十人という応募者の選定をしなければならない発注担当者にしてみれば、仕事に直接関係のないことをダラダラと連ねられても、マイナスにしか映らない。
特に書式に決まりはないが、部分的に箇条書きなどを入れるなどして見やすくする工夫は必要だ。
それでは、どのような内容を記載すれば良いか?
詳しくは下記の記事に記しておいたので、興味のあるかたは是非一度お目通しいただきたい。
3:Adobe PremiereProが使えること
どんな編集ツールを使用しているかも何気に重要だ。
有名どころの編集ツールでは、
・Final Cut Pro
・EDIUS
・DaVinci Resolve
・Filmora
・iMovie
など、有料・無料含め、さまざまなツールがある。
しかし、動画編集案件をクラウドソーシングで請けようと思うなら、Adobe PremierePro一択と思ってOK。
何故か?
それは、大手クラウドソーシングサービスの案件では「Adobe PremiereProでのプロジェクトファイルの受け渡しを希望」といったように、このソフト指名で募集がかかることが多い。
逆にAdobe PremiereProが使えないような案件はほとんど存在しない。
稀にFinal Cut Proを指定してくるクライアントもいるが、全体の何%もいないのが現状だ。
なのでクラウドソーシングで編集案件を取ろうと思うなら、Adobe PremiereProでの作業環境に対応できることは、絶対条件と言っても言い過ぎではないだろう。
この辺の話をもう少し噛み砕いた記事がこちらだ。
特に「クラウドワークス」での案件において使えると役に立つソフトを解説している。
気になるかたは、是非ご一読いただきたい。
4:Chatworkアカウント
ご存じビジネス向けSNSの雄「Chatwork」。
もしこちらのアカウントをまだ持っていないなら、直ぐに用意しておきたい。
クライアントによっては、最初はクラウドソーシングサービス内でメッセージをやり取りするも、途中からChatworkでの連絡を希望してくることも珍しくない。
たしかに仕事をいただくワーカー側も、Chatworkでのやり取りのほうが便利でやりやすい。
なのでフリーランス界隈では、Chatworkでのやり取りはある意味デファクトスタンダードのようなもの。
だから応募のさいに、
「Chatworkのアカウントは持っていないので、すぐに取得しておきます!」
なんて口走ろうものなら、自ら初心者と宣言しているようなものなのだ。
よってアカウントの取得は必須。
できれば知人などに協力してもらい、事前に使い方に慣れておこう。
ただしクライアント側から、
「次の仕事はクラウドソーシングサービスを通さないで直接Chatworkでやり取りしたい」
と言ってきたら、少々用心したほうがいい。
システム利用料がかからないので一見お得に感じるが、何かトラブルが起きた際は全て自己責任になるということだ。
逃げも隠れもしなそうな所帯の大きい企業であるとか、すでに何回もシステム上で取引実績のあるクライアントならまだ良しとしよう。
しかし相手の素性が分からない段階で、このような申し出を気軽に受けるのはあまりおすすめできない。
最初の内はあまり色気を出さずに、システム内だけの取引に専念して気持ちよく仕事をこなしていこう。
5:即レス・礼節
応募の際も、案件を受注してからも、
・即レスポンス
・礼節をわきまえたやりとり
これらは常識ある社会人として、きっちり履行したい。
先ほどのChatworkにしても、大手のクラウドソーシングサービスにしても、スマホ用のアプリが充実している。
だから外出先だろうが何だろうが、メッセージに気づいたら直ぐに返信をするクセをつけよう。
「そんな細かいところ関係ないでしょ。要はいい作品を作ればいいんじゃね?」
的な考えをお持ちの方がいたら要注意だ。
何故なら、発注側は作品と一緒にワーカーの人柄も見ているからだ。
メッセージの返信が異様に遅かったり、礼節を欠いた文章だったりすると、
「この人の常識はいかがなものか? こんなんじゃ納期も守ってくれないのでは?」
と心配してしまう。
私が依頼しているワーカーの中にも無礼でナメた人物がいるが、チャンスがあったら即切ってやろうと思っているくらいムカついている(笑)
とどのつまり、社会人として恥ずかしくない対応を心掛けることは、案件獲得と長期リピート契約に大きく貢献する要素となるのである。
まとめ
さて、今回は「ビギナー編集者がクラウドソーシングで案件を獲得するには、どのような条件を満たす必要があるか?」をテーマにお伝えしてきた。
もちろん、これだけやっておけば完璧というものではない。
ここに挙げた5つはその中でも「これは外せない」という最大公約数という位置付けになる。
なのでこの5つの条件をクリアしたのち、「これも必要では?」という要素をご自分で付け足しながら、決戦前の武装を固めていって欲しい。