動画マーケター&エディターのTAKAです。
これから卒業ムービーを作ろうと思っている、パパさんママさん。
どんな内容にするか、ネタ作りに悩まれている方も多いはず。
今回はそんなあなたに向けて、卒業ムービーで多く用いられているネタのアイデアをまとめてみた。
本当は私自身が制作したムービーをご紹介したいのだが、守秘義務からクライアント向けのムービーを公開する訳にはいかない。
なので、他の方がYouTubeにアップしている作品の中から、参考になる作品を紹介していく形になるがご理解いただきたい。
ぜひこの記事が、あなたの作品を昇華させるヒントとなれば幸いである。
写真スライドショー
まずは写真のスライドショーからご紹介したい。
これは卒業ムービーに限らず、自作ムービーの中でも定番中の定番だ。
今はスマホで簡単に写真が撮れる時代だから、素材集めにも苦労しないのではないだろうか。
しかしそんな王道であるスライドショーも、いくつかの注意すべきポイントというものがある。
「せっかく頑張って作ったのに、なんか素人っぽくなっちゃった!」
というような残念なことにならないために、以下の点に気を付けながら制作を進めていただきたい。
BGMのリズムに合わせる
写真スライドショーを作る際には、無音ということは珍しい。
何らかのBGMに乗せて作るはずだ。
BGMの選定については、制作者各々の想いがあると思う。
ご自身のセンスをフルに活かして、ベストな選択をされることだろう。
しかし、もしBGMの選曲にお困りのかたがいらしたら、この記事がお役に立てるかもしれない。
それはさておき、BGM挿入の際に厳守していただきたい大事なポイントがある。
それは、写真の切り替えを曲のタイミングに合わせるということだ。
これがズレていると、見ているほうはどうもシックリこないのだ。
目から入る映像のテンポと、耳から入る音楽のテンポを一致させることは、非常に大事な要素である。
初心者の頃は結構見落としがちなポイントなので、常に意識しておいていただきたい。
トランジションを乱用しない
トランジションとは、写真と写真のつなぎ目エフェクト(切り替わりの効果)のことである。
お使いの編集ソフトによっては、多種多様のトランジションがプリセットとして標準装備されていると思う。
最初の頃は、あれこれ色んなトランジションをつかってみたくなるものだ。
気持ちは良くわかるが、ここはグッとこらえていただきたい。
なぜならこれは多様するほどダサくなるからだ。
特に、効果の派手なトランジションを乱発するのは最もイタい…。
おすすめは、基本のトランジションはクロスフェード(ディゾルブ)などの、ベーシックなスタイルにすること。
そして、ここぞというキメのタイミングで見栄えのするトランジションを適用していただきたい。
写真に動きをつける
写真だから、動画と違ってそのままでは動かないのが当たり前である。
しかしここに少々動きをつけることにより、完成度はグンと高くなる。
動きの付け方は、もちろん制作者であるあなたの好みでかまわない。
ただこれも絶対ではないが、なんとなく法則性みたいなものがあるのでここでご紹介しておこう。
✅動きは大きくしたり速くしたりしない
動きはムダに大きくしたり、速くしてはいけない。
やりすぎてしまうと、肝心な「写真を見る」ということに集中できない。
そればかりか、大きな動きの積み重ねは視聴者に疲労感を与えてしまうので気をつけよう。
✅横へのスライドは一定方向にする
左から右へのスライド写真の直後に、今度は反対の右から左へのスライド写真が…。
そしてそれが交互にやってくる。
これではまるで「あっち向いてホイ」をやらされているようなもので、これも視聴者を疲れさせてしまう要因だ。
✅主役に寄っていくように
一人で写っている写真であれば、その人が主役なのは間違いない。
しかし複数人で写っている写真で、特に注目させたい人物がいる場合には、その人の顔を徐々にアップするような動きが効果的だ。
これをセンス良く取り入れることができれば、テロップなんかなくてもメッセージ性の高い演出をすることが可能になる。
スケッチブックリレー
次にご紹介するのは、こちらも今や定番と言えるスケッチブックリレーだ。
上のYouTubeのような園児によるものであれば、それほど演出にこだわる必要はない。
なぜなら見ているだけで可愛いからだ。
むしろ、へんに完成度が高い作品より少々荒削りなほうが、自然さがあって良いかもしれない。
ただそんな中でも、視聴者に見てもらいやすくするには以下の点をおさえておこう。
スケッチブックを動かさない
特に女子に多いのだが、手に持ったスケッチブックを振ってしまうことがある。
大きく上下左右に動かしたり、細かくプルプルさせたり。
キャピキャピしている年頃(死語か?)なので分からなくもないが、ここはじっと我慢していただきたい。
出演者が思っているほど、残念ながらカメラ越しの文字は見やすいものではない。
スケッチブックリレーというのは、ある意味では出演者以上にスケッチブックの文字が主役なのである。
文字が見えなければ、出演者がただ手を振るだけの動画となってしまう。
カメラマンの方は、事前に生徒たちに協力をお願いしておこう。
スケッチブックの文字が小さい
少しでもたくさんのメッセージを届けたい気持ちはとても良くわかる。
しかし先ほどもお伝えしたように、映像に映る文字の視認性に過度な期待は禁物だ。
できれば一時停止をしないで、等倍再生で確認できる情報量にとどめておきたいところ。
それにはできるだけ大きな文字で書くということを心掛けよう。
スケッチブックはアップで撮影する
これも先ほどと同じ理由である。
スケッチブックを小さく映してしまうと、肝心な文字が見えにくい。
なのでスケッチブックは、なるべくアップで撮影するように心掛けよう。
出演者の全身を映そうとしたり背景を全て映そうと思うと、どうしても「引き」の映像になってしまう。
ここは割り切って、出演者の上半身程度の画角で収めるようにすると、スケッチブックとのバランスも良くなるだろう。
背景や出演者の全身を映したい場合は、全体を映した「引き」の映像からスケッチブックの文字がみやくすなるアップに寄っていくように撮影するといいだろう。
スケッチブックの表示時間が短い
けっこうヤリがちなのが、表示時間が短い問題だ。
「まだ読んでいる途中なのに…」
という感情を視聴者に持たせてはいけない。
特にスケッチブックを受け取ってからが大事で、しっかり動かさずに持ったカットの時間を十分にとっておこう。
蛍光色の文字は視認性が悪い
細かい点では、蛍光ペンなどの明るい色マーカーは視認性が悪くなるということを理解して撮影しよう。
光の当たる角度によっては、ほどんど見えないこともある。
よほどデザイン性のこだわりがない限り、原色系のマーカーを使うほうが見やすくなることは覚えておきたい。
露光(明るさ)を合わせる
最後に、完成度をワンランクアップさせるコツをご紹介しよう。
スケッチブックリレーでは、わりと速いテンポで次々と映像が移り変わる。
見ている側として、ここで気になってくるのが映像の明るさだ。
スクール系のムービーでは、校庭や屋上などの屋外での撮影もあれば、教室や体育館などの屋内での撮影もある。
屋外での太陽光の強力な明るさには、屋内での人工灯のそれは到底かなわない。
屋外シーンから屋内シーンへの切り替わりで暗くなった映像では、スケッチブックの文字も見にくくなることも覚えておこう。
しかし、全ての映像の明るさを同じに統一するのはとても無理な話である。
出来る範囲でけっこうなので、なるべく同じ明るさに近くように調整すると、見る側の違和感を少なくすることができる。
余力があれば、ぜひチャレンジしていただきたい。
ボールリレー/花束リレー
先ほどのスケッチブックを、ボールや花に変えたパターンである。
参考YouTubeでは結婚式バージョンだが、これを卒業バージョンにアレンジしてみてはいかがだろう。
男子校や球技のクラブチームでは、ボールリレー。
女子校や恩師に向けてのムービーであれば、花束リレーがお薦めである。
制作のポイントはスケッチブックリレーとほぼ同じなので、先ほどのポイントを応用していただきたい。
サプライズムービー
ここでご紹介するサプライズムービーとは、今まで隠してきたことや、お詫びのメッセージなどを、一人一人に告白してもらうという企画である。
一般的な「感動モノ」とは違ったテイストを取り入れたい制作者さんにオススメだ。
シリアスなネタではなく笑える程度のネタにする
いくらドッキリと言っても、笑えない内容ではドン引きだ。
「ぶっちゃけ〇〇君と□□君とで二股かけてました!ゴメンなさい」
「△△さんの給食に金魚のエサを入れたけど時効だよね!」
みたいな話は、血の気が引くから勘弁して欲しい。
謝罪だけでなく、告白などのドッキリも盛り上がる
やはり学校系のサプライズでは、告白の破壊力を上回るものは見当たらない。
この甘酸っぱい思いを一生残る作品に残すのは、相当な覚悟が必要だ。
しかし、ありきたりな展開になりがちな卒業ムービーの中に、このような一幕があると俄然盛り上がるだろう。
なのでチャレンジ精神旺盛の若人がいれば、ぜひ挑戦していただきたい。
と言いたいところだが、
「10年経ったら違う同級生と結婚していた…」
なんて展開は珍しい話ではない。
将来誰と伴侶になっても仲良くムービーを鑑賞できるように、やっぱりオススメするのはやめておこう…。
まとめ
さて、卒業ムービーのアイデアを4つほど紹介してきたが、いかがだったろうか。
卒業ムービーの場合、結婚式ムービーと違ってあまり凝りすぎた演出は必要ないというのが私の意見だ。
もちろん制作者によって違いが出るところではあるので、いろんな意見があることだろう。
しかし対象が園児や学生という特性上、高い完成度を目指すよりも初々しいメッセージを上手に伝えるような作りのほうが、満足度の高い作品になりやすい。
なのでテクニックの披露はグッとこらえていただき、より魅力的に生徒たちの思い出を紡いでいただければこの上ない。