動画マーケター&エディターのTAKAです。
これから動画編集をクラウドワークスで依頼したい、または請け負いたいと思っている方は多い。
となると、最も気になってくるのが費用面だろう。
そこで今回は、案件ジャンルごとの報酬額の相場を解説してみたいと思う。
受注側(ワーカー)と発注側(クライアント)ごとの注意点も併せて解説しているので、これからクラウドワークスでの取引をお考えのあなたは、是非この記事を一読していただけたら幸いだ。
映像編集初心者の報酬額はどのくらい?
早速、具体的な報酬額の話に入ろう。
クラウドワークスでは、1本の映像編集に対する報酬額が基本になる。
案件によっては「10本でいくら」など複数単位での募集も出ているが、ここでは計算をシンプルにするために1本単価で話を進めよう。
さて、クラウドワークスでは、
という報酬システムだ。
報酬額10万円まではシステム利用料が20%なので、
契約⾦額 10,000円(税抜)のお仕事の場合
システム利用料:2,420円(税込)
10,000円 × 10% (消費税率)= 11,000円(契約金額(税込))
11,000円 × 20%(システム利用料率(税抜))= 2,200円(システム利用料(税抜))
2,200円(システム利用料(税抜))× 10%(消費税率)= 220円(消費税)
ワーカーが受け取る額 8,580円
11,000円 – 2,420円(システム利用料(税込))= 8,580円
となる。
とは言っても、1本10,000円の案件はなかなかの高単価案件である。
現実的に初心者が取りやすい価格帯としては、1本1,000円~5,000円ほどのYouTubeチャンネルの編集といったところだろう。
ここでは真ん中をとって、1本3,000円の編集案件の例で計算してみよう。
なので、
時給換算するのであれば、この1本2,574円の仕事を何時間でこなせるか?
にかかってくる。
例えば2時間程度で全て完了できれば、1,200円~1,300円程度の時給となり悪くない。
しかしこの仕事に4時間も費やすようであれば、国で定めた最低賃金額を大きく下回ってしまうほど美味しくない仕事ということになる。
YouTube以外のジャンルの報酬相場は?
先ほどは初心者が最も参入しやすいと思われる、YouTube編集のお仕事を例に解説させていただいた。
ここでは他のジャンルでの相場感を、ざっと紹介していこう。
結婚式や披露宴の映像編集するお仕事。
こちらは撮影を含まず編集のみなら、1万円前後からの募集が多い。
ウェディングに手を出すなら、それ用のテンプレートを購入して、その道のスペシャリストを目指すとコスパがいいだろう。
ウェディング用テンプレートは数千円程度で購入できるので、何本も制作しているうちに元が取れるし、短納期で高品質のムービーに仕上げることができるのでクライアントにも喜ばれるのでおすすめ。
最近ではブームに乗って、TikTok用の動画の依頼も増えている。
総じて尺が短いので慣れてしまえば作業自体の負担は少ない。
アップロード代行まで請け負うと、ここに数百円プラスされることもある。
Line風動画はけっこう前から募集があるが、いまだに多くの応募を見かける。
おなじみの緑の吹き出しデザインはテンプレートが出回っているので、それを利用すれば作業自体は単調なので難しくない。
広告用漫画動画とは、YouTube閲覧時に再生が始まる前に流れてくる漫画を用いたPR動画だ。
コンプレックス商品を扱った広告が多いのが特徴。
この手のジャンルはそれなりのレベルを要求されるので、初心者がどうこうできる代物ではない。
ただし、高単価案件が多く作業コスパは悪くない。
After Effectsをある程度自在に扱えるようになったら、将来的には応募を視野に入れてもいいかもしれない。
クラウドワークスで動画編集案件を【応募】するときの注意点
さて、報酬単価ばかりに気を取られていると、意外な落とし穴につまづいてしまうことがある。
ここでは特に初心者が、クラウドワークスの案件に応募する際の注意点を挙げてみた。
是非参考にしていただきたい。
実績作りとして有効か
編集初心者は、まず実績を作ろうという思いから、相場より安い案件から取り組んでいくと思う。
ではこの「実績」とは何か?
それは大きく2つのことを指す。
1)クラウドワークス内での実績
これはクラウドワークスのサービス内のみで積み上がる実績のこと。
具体的にはプロフィール欄に表示される「受注実績」と「評価」がそれにあたる。
「受注実績」はクラウドワークスで仕事を受けた累計数が表示され、「評価」はそれに対してのクライアントの評価が星の数(MAX5個)で示される。
これらの値が上昇していけば、この先ますますクラウドワークスで仕事を取りやすくなる。
2)ポートフォリオとして使用可能かどうか
個人的には、ここがとても重要だったりする。
案件によっては、完成した制作物に対しての守秘義務が発生する場合がある。
と言うか、珍しくない。
まさかYouTubeなどで不特定多数の人に公開する訳ではないにしろ、他の案件への応募の際に「ポートフォリオ」としても使用不可となってしまうのだ。
こうなると少々コスパが悪い。
せっかく利益度外視で携わった仕事なんだから、成果物はできるだけ色々なところで利用したいものだ。
「実績」が目的で請け負うのなら、この点は事前に確認しておいたほうがベターだ。
サービス外のやりとりは自己責任
クラウドワークスに限ったことではないが、クラウドソーシングサービスで仕事を請けるのであれば、慣れないうちはサービス内でのメッセージのやりとりを徹底しよう。
途中から、チャットワークなどのサービス外のSNSによる連絡を希望してくるクライアントはとても多い。
サービス内での「言った言わない」であれば、クラウドワークスが間に入ってくれる可能性もある。
しかしそれ以外で発生したトラブルに関しては、当然のことながらクラウドワークスは何もしてくれない。
クラウドワークスに決して安くない手数料を払っているのだから、その恩恵は最大限享受すべきだろう。
「本人確認済み」のクライアントが安心
細かいことではあるが、やはり「本人確認済み」のマークがついているクライアントの案件に応募しよう。
「本人確認済み」の登録作業は難しいことではないので、これすらも履行しない発注者というのは、その時点で不信感が沸いても不思議ではない。
これに限らずだが、募集要項を読んでみて少しでも「何かおかしいな?」と思った案件は、応募しないに越したことはない。
クラウドワークスに動画編集案件を【発注】するときの注意点
次は、発注側が頭に入れておきたい点を挙げてみよう。
玉石混交のワーカーから「当たり」を探し出すために、最低限確認しておきたいのは以下の点だ。
継続性のリスクがある
クラウドワークスに登録しているワーカーは「個人」がほとんどだ。
フリーランスと言い換えることもできるが、ここが少々厄介だ。
完全に個人差が出るが、いい加減な人間にあたると本当に痛い目に合う。
実際に私が契約したワーカーの中にも、返信は来ないわ、言葉遣いがなってないわで、どうしようもなかった経験がある。
先方の納品時間が迫っているのに、いくら連絡してもワーカーと連絡がつかない。
仕方なく当日になってプロジェクトファイルから作り直し、何とか夜遅くに納品が間に合ったという苦い思い出…。
それとは別話だが、シリーズ物の企画の途中でバックレる連絡が取れなくなるケースもあるらしい。
いつ何が起きても継続可能なように、動画データだけでなくプロジェクトファイルとリンクファイルも一緒に納品してもらうことをお勧めする。
このように無責任な「外れフリーランス」に当たってしまう確率も、ゼロではないことを頭に入れておこう。
完成品の品質は担保されない
映像制作会社へ依頼する場合では、ある程度以上の品質は保証されたようなものだ。
きちんとしたキャリアを積んだ編集者が、複数名在籍しているのが普通だからだ。
ただし個人が相手となると、仮に事前にポートフォリオを閲覧していたとしても、同じクオリティに仕上げてくる保証はどこにもない。
もっと言えば、そのポートフォリオは本人が制作したものかの裏付けもない。
なので相手によっては、初回が完成するまでのディスカッションにとても時間を費やすこともでてくる。
制作費とトレードオフになるデメリットも覚悟しておきたい。
周辺知識のアドバイスは期待できない
ベテランの編集者が在籍する映像制作会社では、制作に関することのみならず、周辺知識も豊富なことが多い。
例えば企業PR動画を依頼する場合、効率的に認知度を上げるためのマーケティング知識までアドバイスしてもらえるとありがたいもの。
昨今のYouTube界隈では、再生数をアップさせることを専門に研究している企業もあるようだ。
それに比べてクラウドワークスに登録しているフリーランサーは、編集作業に特化した人物が多い印象を受ける。
なので人にもよるが、発注者が期待する「プラスアルファ」のメリットを期待するのは無理があるかもしれない。
まとめ
仕事を受注するビギナーワーカーの報酬としてみれば、決して高収入とは言えないのが現状だ。
それでも少々頑張れば、月に20,000円~50,000円程度の報酬を得ることは十分可能。
なるべく人との不要な接触を避けたいこのご時世、自宅でできる内職と考えれば決して悪くないだろう。
これを聞いて、
「やっぱりコンビニでバイトしよっ!」と別の道を歩んでいくも良し。
自己のスキルアップを図り割のいい高単価案件へとステップアップしていくも良しである。
ワーカーとして是非収入のチャンスを増やしたいと思った方は、まずは下のバナーから会員登録してみてはいかがだろう。
反対に仕事を発注するクライアント側からすれば、安価で質のいいワーカーと巡り合えるチャンスがあるのが、このクラウドワークスの最大の魅力だろう。
もしそのような掘り出し物を見つけたら、契約更新のたびに報酬額をアップしてあげて逃がさないようにしたい。
少々ギャラをはずんだところで、制作会社に依頼する額の何分の一で済んでしまうからだ。
ただし「安かろう〇かろう」という言葉があるように、思わぬハズレを引いてしまうこともあるのがこのサービスだ。
結局は発注側も受注側も、報酬金額の向こうに見え隠れする相手の人物像を見抜くことが、このサービスを利用する際に必要な最も大切なスキルなのかもしれない。